【小説】国芳になる日まで 〜吉原花魁と歌川国芳の恋〜第31話 (19/19ページ)

Japaaan

あたしらは確かにあなたの師匠にあなたの事を頼まれました。でも、何でもかんでも仕事をやれとは言われていません。あなたの師匠は、あたしらにこう言ったのです。『普通に転がってるようなしょっぺえ仕事ではなく、これはという大きな企画が持ち上がったら、あいつに任せてくだせえ』と」。

 

 

「ハア」

 

随分調子のいい事を言う版元だ。

 

 

「去年あなたがうちを訪ねてくださった時には、お恥ずかしながら、それに見合うような規模の企画がありませんでした。しかし今回、とうとうそれに値する大きな企画が持ち上がったのです」

 

 

どうか、お話だけでも聞いてください。

 

拝むようにされて、仕方なく国芳は頷いた。

気に食わない内容なら追い返してやればいいだけだ。

 

「で、話は何です」

 

「実はですね」、・・・・・・

 

・・・・・・

 

 

吉兵衛が話し始めて、半刻ほど経った。

 

 

話し終えた後、

 

 

 

「・・・・・・どうです」

 

 

吉兵衛は自信に満ちた顔をした。

 

 

国芳はじっと黙って腕組みをしていたが、最後に返事をした。

 

 

・・・・・・

 

 

「わっちのすべてを懸けて、この仕事、引き受けやしょう」。

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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